『12歳の文学』
審査をちょっとだけお手伝いしました。
最終候補くらいまで残る作品は、ほんとうに小学生?! と思うくらい、うまいんですよ。表現も豊かだし、理屈もとおっているし。このくらいの年齢から継続して文章の技術をみがいたら、将来すごい大物になりそう。なにより、いまのみずみずしい感性を大切にしてほしいです。
審査をちょっとだけお手伝いしました。
最終候補くらいまで残る作品は、ほんとうに小学生?! と思うくらい、うまいんですよ。表現も豊かだし、理屈もとおっているし。このくらいの年齢から継続して文章の技術をみがいたら、将来すごい大物になりそう。なにより、いまのみずみずしい感性を大切にしてほしいです。
今年はイギリスのドリス・レッシング(Doris Lessing)が受賞した。
わがジョイス・キャロル・オーツは、毎年候補として名前があがるのだけれど、今年はけっこう下馬評が高くて、受賞したらコメントと寄稿原稿を、なんてこのわたしがいわれていたくらいだったので、いよいよ? と思ったら、やっぱりだめだった(オーツファンのMLでは、今年もダメそうだねーなんて感じだった)。いやでも、じっさいいつ受賞してもおかしくないから、今後の楽しみにとっておこう。
しばらくアメリカの受賞者がないし、近いうちにアメリカ大陸のだれかが受賞するのだろうけれど。(カルロス・フエンテスやマリオ・バルガス・リョサとかも有力候補。)
今や大人気、浪速のアイドルネコはっちゃん。最近はネコ雑誌でもよく見かけるので、うちの小春と模様が似ていることから興味をもった。もともと、ネコの写真集はあまり見ないないが、写真がうまいし(プロだから当たり前だろうが、愛情の入れ具合がちがう)、シンプルなコメントが、ほどよく親バカかつユーモラスで楽しい。神戸の公園で地域ネコだったはっちゃんを写真家八二一(はに・はじめ)氏が里子にむかえたそうだ。ブログのはっちゃん日記はヒット数が一日2万もあるのだとか。
はっちゃん日記のある八二一氏のサイト きみのニャは、
いにしえの香り高きファンタジー。
原書房の担当編集者さんから、「さいきんブログがネコばっかりで、児童文学はどこへいったというクレームが社内からきています」とのこと。いやいや、チェックしてくださっているのですね。ありがとうございます&すみません。でも、その分、雑誌で書いたりしているんですよ。原書房の『オラクル』も、『小学六年生』10月号で紹介いたしましたー!(←おもいっきり、言い訳くさい)気づいたら親バカ大爆発のネコブログになっていますが、もちっといい具合のちゃんぽんになるようにがんばりますです。
野中柊さんの最新作。オムニバス形式の短編が6話収録されている。
どれも恋の話で、甘いだけではなく、ときには切なく、ほろ苦いときもあるのだけれど、全体として野中さんのポジティブなパワーが全開で、読んであとに、ほんわりと温かい気持ちになって、元気がでてくる。各話の主人公キャラが、別の話のキャラとつながりがあったり、ちょこっと登場したりするところが、人間のつながりのふしぎさを物語っていて、個人的にはこういう構成はとても好き。帯でうたっているように、恋もそうだけれど、人と人との関係も奇跡的なめぐりあわせってあるとおもう。
江國香織みたいに、心の動きをタイムリーにつかむ描写がうまいのだけれど、野中さんの場合は、江国さんのようなナルシストなところがなく、さらっとしている。でも、それでいて、人間の核心部分をするどくつかんでいる。
小春と小町の離乳食にむけて、ペットフードをあれこれさがしているとちゅうで見つけた一冊。スーパーやホームセンターで安価で買えるペットフードがよくないのは知っていたけれど、かといって毎日手作り食をつくれるほど手間暇かけられないので、体によいペットフードをさがしていた。
この本でも紹介されている犬猫自然食本舗のドライタイプのお試しを取り寄せて気に入ったので、小春と小町にあたえる予定。もちろん、よい素材を吟味してつくったフードだから、「一般的」なフードと比べたらとっても高いが、うちはもともと食品も日用品も価格より品質でえらんでいるし(ちなみに、必ずしもいいもの=高いわけではない)、大切な小春と小町にもいいものを食べさせてあげたい。
| ドラゴン・スレイヤー・アカデミー 6 きえたヒーローをすくえ | |
![]() | ケイト・マクミュラン作・神戸万知訳・舵真秀斗絵 出版社 岩崎書店 発売日 2005.03 価格 ¥ 840(¥ 800) ISBN 4265068561 |
ウィリー、エリカ、アンガスは、ランスロット卿を救うため、旅に出ます。でも、相手はおそろしい魔女モルガンです。どうしたら助け出せるのでしょうか? そんなある夜、茂みの中から、しわだらけの犬が、姿をあらわしました。 [bk1の内容紹介] bk1で詳しく見る ![]() | |
「ドミニカ独裁政権下の少女の成長 フーリア・アルバレスのBefore We Were Free をとおして」(論文、『白百合児童文化』XIII、2004年3月)
(注:奥付は2004年3月ですが、実際に出たのは同年12月。「ロラおばちゃん」の翻訳をする前に再校まで済んでいたので、作者名の表記が「ジュリア」だったり、「ロラおばちゃん」が「遊びにきたロラおばさんがうちに居着いた理由」(仮題)になっていたりします。作者名は、「ロラおばちゃん」の作業中に作者のエージェントの方に確認して、「ジュリア」「フーリア」どちらもでもOKだが、本人は「フーリア」のほうが好きみたい、ということだったので「フーリア」にしました。)
| 星降る夜のお化けたち | |
![]() | パトリック・ジェゼケル著・ベネディクト・モラン著・ジャン=バティスト・モンジュ画・エルレ・フェロニエール画・樋口仁枝訳・諸岡... 出版社 東洋書林 発売日 2004.12 価格 ¥ 2,415(¥ 2,300) ISBN 4887216939 |
子どもたちに贈り物をする気のいいサンタクロースの本当の姿。トロルやエルフ、コリガン、レプラコーンなど、おなじみの妖精はもちろん、西欧のお化けのオールスターたちが勢ぞろい! 闇夜に忍び寄る魔物たちの物語。 [bk1の内容紹介] bk1で詳しく見る ![]() | |
お話いっぱい、小ネタ満載で、妖怪・妖精好きにはとても楽しい一冊。小人が、カエルの扮装をしたり、コロボックルに似ているなどの発見もあったり、とりわけ、ハロウィーンについてのエピソードが詳しくておもしろい。絵は、ちょっと怖いけれど、どことなくユーモラスで、お化けの憎めない本質をつかんでいている。


これまでも水木妖怪本はたくさん出ているが、この本がおもしろいのは、各妖怪の説明に加えて、「生息地」「タイプ」「HP」「こうげき」「すばやさ」「とくせい」「とくぎ」といったゲームデータ的な要素が加わったこと。さすが小学館ならでは、というか。ほとんどはおなじみの妖怪だが、屁こき妖怪「オッケルイペ」(北海道)、ブタによくにた「カタキラウワ」(鹿児島)など初めてっぽいものもけっこういる。人間の生活に密着していて、ユーモラスでいい。
水木さんの写真は、さいきんいつも口開け舌だしだが、新しいトレードマーク?(いや、おちゃめでいいと思うけれど。)

野中さんから新刊が届いた。もともと『新潮』に掲載された表題作と、書き下ろしの短編「ボーイミーツガール」の二作収録されている。お母さんが主人公って、もしかして初めてではないだろうか。お母さんはひょうひょうとしていて、息子の太朗はすなおでのびやかで、両者の視点をとおして映しだされる同じでありながら違う世界が、おもしろかった。池田進吾さんの装丁はあいかわらずセンスがいい。

「ハリー・ポッターの謎と秘密大研究」(原案、『小学六年生』10月号、小学館、税込540円)
ハリポタの悪口をさんざんいっているくせに、なんだかんだと商売のネタにしているので、やはり感謝しなければならないかも。これからも、シリーズ完結まで(できればその以後も)できるだけ長く話題を引っ張ってもらって、ファンタジーだけでなく、子どもの本のカンフル剤になってくれますように。
余談だが、先月号のアダルトサイトへのリンク騒動で、この企画も間接的に影響を受けた(とにかく慎重に慎重に、ということで)。まあ、ピカチュウがいるかぎり、わたしは小学館の味方だからいいけど。
青山ブックセンターの閉店は、出版関係の人にはかなり衝撃だが、わたしも同じ。銀座のイエナがなくなったときと同じくらいショックかも。六本木店は昔から行くたびによっていたし、外苑前で働いていたときは神宮店にしょっちゅう通っていたし、自由が丘で教えているときも毎週いっていたし、最近では新宿ルミネ店にいく機会が多かった。でも、これだけネット書店が普及すると、店舗書店は大変だろう。ブックオフとかも大流行だし。お店が混んでいても、買っていくとは限らないから。(荷物になるから、書店で情報だけ得て、家に帰ってからネットで買うこともあるだろうし。って、それはわたしです。)

『「子どもは勉強しろ!」といっていい15の理由』
(山中恒著、講談社、税込1470円)
よくぞいってくれました! パチパチパチ!
子どもの個性をのばすといっても、それがドンピシャ! でわかる親や教師なんて少ないだろうし(親の判断が成功した場合が、イチローとかになるのではないか)、それなら、つぶしがきくように、基本的な学習能力はあったほうがいい。読解力、理解力、認識力は、スポーツでいえば筋肉にあたるもので、それがなければ、「考える力」なんてつかないだろう。何度も繰り返して、ようやくハッと気づくことなんて、いくらでもある(と山中さんも述べているが、おおいに同感)。ついでに、能力開発系のビジネス本ってたくさん流通しているが、速読も記憶力アップも、元々頭がいいのにこしたことはない。もちろん、能力には生まれつきの個体差はあるが、鍛えれば伸びる部分も当然あるし、子どものときにそれを鍛えてやるのは親や教師の責任だ。
だから山中さんの本には、共感しまくり。子どもの個性を見つけるためにスポーツや音楽やダンスを習わせると同じに、勉強に的をしぼるのはちっとも悪くない。そもそも、社会で生き抜く基本的な能力なのだから、子どもを育てあげる過程である程度のつめこみは必要だろう。「ゆとり教育」とか、こどもの自発的な興味とか、一見子どもを思いやっているようで、なんだか大人が手間や面倒を放棄しているようにも感じずにいられない。(そのゆとり教育は失敗だったといわれているようだが。)自主的に判断できる能力を育てるために、知識をたくわえるのでしょう?
ついでに、大学を卒業して30代とかになって、自分自身で勉強の大切さ&おもしろさに気づき、資格のために受験勉強をしたり新しく学校に通うのも、やらないよりはいいけれど、じゃあ大学でなにしてきたの? と思ってしまう。わたしは、小中高だけでなく、大学生にも勉強しろ! といいたい。義務教育ならともかく、その上の高校のさらに上の大学に行く、まず第一の目的は勉強のはずなのに。(このあたりは、わたしは勉強好きの変わりもので、思う存分勉強したくてアメリカの大学に入ったこともあり、日本の大学の現状にはとっても厳しい意見をもっている。)
『アグリーガール』に前後して、ジョイス・キャロル・オーツの邦訳がぽこぽこ発売されている。
『アメリカ新進作家傑作選 (2003)』
『ブロンド〈上〉—マリリン・モンローの生涯』
『ブロンド〈下〉—マリリン・モンローの生涯』
『アメリカ新鋭作家選』は、厳密にいうと、オーツが書いたのではなくて、編纂したもの。『ブロンド』は、発売当初アメリカではかなり話題になり、全米図書賞とピューリッツァー賞にノミネートされた。ほかの国では早々に版権が売れたそうだが、日本ではなかなか手があがらず、オーツがぷりぷり怒っていたと青山南さんがどこかのエッセイで書いていらしたが、けっきょく講談社がやったのか。原本はとんでもない長さだから、翻訳するとさらに増えて、上下でもおそろしい厚さになっている。
ところで、『ブロンド』の邦訳が出たのは、『アメリカ先鋭〜』のあとがきを読んで知ったのだが、アマゾンに検索をかけても出てこない。というのは、オーツの名前表記が、「ジョイス・C・オーツ」だからなのである。わたしは、オーツの場合、どうも真ん中を省略する気になれない。まあそれはいいとして、その程度の表記分けくらい同一人物だと認識してくれないものか。ついでに、訳者の漢字表記とひらがな表記も(子どもの本の場合、絵本は訳者名がひらがな表記になることが多い)。同じ名前を含むまったく別の作家とか、名前の順序が違う作家は、混合するくせにー(これがひじょうにやっかいなのだ)。
『家守綺譚』
(梨木香歩、新潮社、税込1470円)
梨木さんのレトロな感覚が、物語とうまくマッチしていておもしろかった。さるすべり(の精?)やら小鬼やらカッパやら、妖怪的ないきものがあたりまえのように日常化している世界。昔水死した友人も、ちょくちょく訪れる。なにがあらわれても動じない征四郎のおおらかさもいいし、ゆるりとした生活空間になぜか郷愁すら覚えてしまう。
『からくりからくさ』などは、現代なのに、その生活がやたらと古めかしく、登場する若い女性たちの老成ぶりが気持ち悪くすら感じられたのだけれど、『家守綺譚』のように、いざレトロな世界が舞台となると、とたんにわくわくタイムスリップして、此岸彼岸のあわいが楽しめた。
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