Kバレエ「白鳥の湖」
5月16日 東京文化会館
オデット:東野泰子、オディール:松岡梨絵、ジークフリート王子:熊川哲也、ロットバルト:スチュワート・キャシディ
腰が痛くて見ていられるかと心配だったけれど、せっかく何か月も前に取ったチケットだし、お気に入りの東野さんの白鳥デビューだし、熊川さんの快気祝い公演(?)だし、ということで、腰に負担がかからないよう服を当てたりして、万全の準備でいった。熊川版はスピーディーなので、助かった〜。
当初、オディールも東野さんだったが、荒井さんに変わり、当日荒井さんが「体調不良」で松岡さんに。東野さんが見たかったけれど、白鳥では見たことのない荒井さんも見てみたかった。
熊川さんは、1幕は、昔より落ちついた感じ。ケガの功名で、キャラクター造形に変化があったのだろうか。王子さま度がアップしている。でも3幕は、舞台復帰がうれしくてたまらないオーラびんびんで、かなり躁の気が出ていた。もう、ニッコニッコ踊っていて。それが、かえって、「魔につかれた王子」っぽくて、本来の王子ではないのね、という説得力につながっている。オディールに夢中なのも、上から操られているみたいで、裏切ったという感じがしない、というか。だから、4幕でオデットにあやまる様子も真摯に映るし、オデットもどうしようもできなかったことだとわかっている感じ。
踊りは、高いジャンプは少なめ、その代わり、回転を多めに、脚もいつもよりピンと高くあげていた。コーダの超高速回転は、スピードが笑っちゃうほど速かったけれど、熊川さんにしては、ちょい軸がぶれていたかも? でも、そういう重箱の隅をつつくのはおいておいて、かれはほんとうに観客の求めるものを知っているし、それを満足させてくれる形で見せるからすごい。カーテンコールは、なかなかお客さんが帰らないから、さいごにひとりだけ出てきていた。
東野さんは、繊細なオデットをとってもていねいにつくりあげていた。上半身はやわらかく、指先まで神経がゆきとどき、でも、回転などの軸はしっかりしている。こんなふうに、可憐だけれど芯の強いところが、オデットのキャラクター像にもはっきりと反映できていたので、とても満足。やっぱりオディールも見たかったなあ。小悪魔的でかわいいと思うんだけれど。次回に期待。
あとは、トロワの遅沢さんがすてきだった。正確だけど、ダイナミックで。かれは長身だから、中村祥子さんと組んでもよさそう。ベンノのブーベルも、3幕がのびやかで印象に残った。
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