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2008/04/06

新刊『アイドロン2 闇の世界へ』


『アイドロン2 闇の世界へ』

「アイドロン」シリーズ第2巻です。今回は、ベンの家族がみんなアイドロン入りします。ドッドマンとの戦いは、どんどん厳しくなっていくし、アイドロンの惨状も一巻以上に明らかになります。

作者ジョンソンは、すごいトールキンファンで、トールキンの影響で古英語やら古ノルド語を大学院で研究したすえに、トールキン本を出している出版社に就職し、すぐにトールキン本担当になりました。そして、ファンタジー、SFのレーベルを立ち上げ、数々の作家を育てたという、敏腕&有名な編集者です。英語で彼女の検索をすると、編集者としてのインタビューが出てきたりします。映画「ロード・オブ・ザ・リング」の関連本を執筆して、ニュージーランド・ロケにも行ったのだとか。

というわけで、作品も、あちこちに、トールキンの影響が見てとれます。たとえば、今どきのファンタジーあるいはネオ・ファンタジーのように、やたらめったら魔法を使わないとか。世界の均衡&魔法の衰退とか、まさに、「指輪物語」や「ゲド戦記」などとテーマが重なります。かといって、古くさいわけではなく、ほんとうに正統派のどっしりしたファンタジーだなあと思います。

あと、個人的に好きなのは、ネコのイギーを、主人公ベンのパートナーとして、対等に扱っていること。主人公とともにいる小動物って、身代わりで死んでしまったりすることが少なくなくて、とてもとても切ないのです。世界の存続がかかり、主人公も命を張っているような状況だから、理屈としては理解できるのだろうけれど、それでも感情的には受けいれるのに苦労する……というか。だから、逆にイギーを、困難を打破するためのトリックスターのように描いてくれているのが、とてもありがたいです。

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